かわせみの名人から写真講座

散歩に行った公園に、大勢のおじさん達がプロ並みの大きなカメラで何かを撮るためにスタンバイしていました。

一見何を撮っているかわからず遠巻きに見ていたところ、夫が首からさげているカメラに気が付いたおじさんが声を掛けてきて、かわせみの写真を撮る為にここで狙っているのだとわかりました。

そこから突然カメラ講座が始まりました。

かわせみは木の枝から魚を採るためにダイブするそうで、狙い目はホバリング中、水に飛び込む瞬間、魚をくわえて水から飛び出してきた瞬間。

首の向きなどから鳥が次どこに飛び込む気か予測して、一瞬先に予測ポイントにフォーカスするなど、難しすぎるコツがたくさんありました。

おじさんたちの美意識は高く厳しく、太陽光の加減やかわせみのブルーの発色・躍動感は当然のこと、かわせみの産毛のふわふわ感&毛並み、ダイブした瞬間の水面の波紋や水しぶきのバランス、口ばしにくわえた魚の大きさや鮮明さ…などなど。

具体的なカメラの設定、カメラの機能の使い方、三脚はどこ製のものが良くどんなポイントで選ぶべきかなど、全てかわせみに特化した情報ですが、いろいろレクチャーしてくださいました。

blog238※私ではなく名人が撮った写真を、写真に撮ったものです。

下町的ジョークがひっきりなしに飛び交っています。

50代~70代、元の職種も住む町もさまざまな、全く違う人生を歩んできた気のいいおっちゃん達。

特にお友達でもクラブ活動でもない赤の他人同士らしいのですが、何となく顔なじみで何となくリスペクトし合う、でもジョークでバカにし合っていて、不思議な世界でした。

毎日朝から夕方までひたすらかわせみを待って、かわせみの短い滞在時間に集中してまた待って…かわせみも年中同じ場所に来るわけではないので、季節によっておじさんたちもかわせみのいるところに場所を変え、また毎日朝から夕方まで毎日毎日。

そんな毎日を2、3年ではまだまだ初心者、10年でやっと一人前だそうです。

ちなみに毎日やらないと、勘が鈍るらしいです。二日かわせみを休むと、三日目ではなかなか良いかわせみのブルーをキャッチすることができないなど、あるそうです。奥が深いです。blog239かわせみが来たら(私には遠すぎて小さすぎてかわせみが来たことすら見えないのですが、まずそこから経験と訓練が必要だそう)さっきまでのトークとは打って変わって真剣になります。

かわせみが動いた瞬間の、あの息を呑む空気。たくさんのカメラが一斉に連射するシャッター音は圧巻で、おっちゃんが名人の顔に変わるのを見た気がしました。

そうかと思えば

「うぇ~なんだよ~後ろのおばさんに焦点が合ってしまってるよ~」(ちょっとズッコケてみる。)「え?これおばさんを狙った写真だろ?」「あのおばさんもおっさんに文句言われたくねーよな」など、やはりおじさんトークが口々に飛び交い、それを新鮮に楽しむフランス人夫。

そんなこんなで結局2、3時間、仲間に入れてもらって練習しました。

最後に、名人たちから名人と呼ばれるおじさんが、最近の写真をお土産にくださいました。そして夫へ「毎日ここにみんないるから、時々おいで」と声を掛けてくれました。

夫にとって、異国の地で人生の先輩方からたくさんのカメラ知識と野鳥のことと、人生の楽しさとパワーとやる気をもらった思わぬラッキーデイとなりました。

私もまた、出会った頃は日本語が話せなかった夫がこんな難しい専門用語で知らない人と普通に会話をしている光景への新鮮さ。また流行のおしゃれなフォトスタイリング系の知識とは全く別物の、いぶし銀な世界観がなんとも頼もしく、私も写真頑張ろう!と思ったおもしろい一日でした。私はかわせみは撮らないんですが。

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